スカトロもウエブ2.0の時代へ! [週刊金曜日連載ギャグコラム「ずぼらのブンカ手帳」]
親愛なる読者のみなさまあけましておめでとうございます。
旧年中は数々の言葉の暴力たいへん申し訳ありませんでした。
お原稿料をいただいている週刊金曜日様を「国賊アカ雑誌」「極左偏向媒体」と罵倒したり、大事な読者さまでおられる団塊の諸先輩に「時代錯誤の徘徊老人」と罵声を浴びせたり、あげくの果ては将軍様じゃなかった偉大なる編集長さまを「毛がない」等々と暴理暴論の嵐、いかに事実とはいえ筆が過ぎました。もうこれ以上名誉毀損訴訟はごめんです。本年からは無産階級としての本分をわきまえ赤色革命の道を精進する所存でございます。
というわけで早春にふさわしい清々しい話題を供したく申し上げるのですが、みなさま「スカトロ」をご存知でしょうか。
はいはい、キューバ革命を成功に導いた革命家にして元国家評議会議長?
ああそれ週刊金曜日のアカ読者的には正しいのですがチョットちがうようです。
排泄物・吐瀉物などを偏愛の対象とする前衛的な性的嗜好。まあ手っ取り早く言えばウンコやオシッコを愛好する革命組織ですね。
大便を食べる、または尿を飲むと性的に興奮する。人前で脱糞する、あるいは着衣のまま失禁すると快感を覚える。ゲロや痰、鼻水を愛好される党員もおられるとか。セクト活動は多岐に亘るようです。
いやいやスカトロ議長をナメてはいけません。昨年、インターネットで世界最大の視聴者を集めたのはオバマでもサブプライムでも蟹工船でもなかった。どうぞYouTube(あ?ああ、動画投稿サイトっす)で”Two girls, one cup”って検索されたい。これブラジルのスカトロポルノの予告編(ウィキペディアにまで載ってるので正体がわかった)。たった1分の画像なんだが、愛くるしい女性ふたりがガラス容器にモリモリと脱糞、仲良くソフトクリームみたいにペロペロ食って最後はお互いの口にゲロ吐きあうというとんでもない爆裂映像なんです。
いやオモロイのはコッチじゃない。これを見た世界中の人たちが「リアクション動画」ってのを次々にアップし始めたんですな。つまり自分の家族や友だちをダマして件の動画をパソコンで見せ、そのげろげろな狂態をまた録画してYouTubeで公開しちゃう。これが腹よじれるほど笑えるんだわ。
「91歳の祖母に見せました」(殺す気か)
「美人の婚約者に見せました」(破談や)
「ウチの弟に見せたら吐きました」(兄貴ってのはまったく)
「一家で見ました」(頭おかしい)
って、おいこら地球人、お前らホンマようやるわ。
「マーリーンおばあちゃんに見せました」で白人のばーさんが「がっ。ぐえっ」と目をむいて「コラあんた、一体どういう気だい!!」と孫に激怒する映像は275万回も再生されとる。
アメリカ陸軍の宿舎らしき部屋では、若い米兵が本気で吐いてます(87万回再生)。こんな兵力ではイラクは持たんでしょうなあ。
どっかの中南米じゃラティナ・ガール4人が「わっきゃー。ヤメテー」(多分)と叫びながら明るく飛び跳ねている。
アフリカ系の男性2人は「う〜ひょっひょ・う〜ひょっひょ」とヒヨコのように両手足をばたつかせながらイスから転げ落ちる。
おお見よ。これぞグローバル・シチズン。これぞウエブ2.0。スカトロは世界をつなぐ。
いやマジで。糞食動画に「ぎょえ〜」と反応する世界の人々見てると、しみじみ思う。人間てどこ行ってもあまり変わらん。でもやっぱ微妙に違う。万国のスカトロよ団結せよ
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